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2006.08.14

忘れてはいけないこと

Sunset_1
Canon PowerShot S2 IS / 6.0-72.0mm F2.7-3.5 USM
ISO50, Av 0.0EV, F5, 1/1000sec., AWB

写真家であった叔父が亡くなって5年になります。
およそ写真についてのすべては叔父に教わったと言っても過言ではありません。

叔父の家には現像からプリントまで出来る暗室がありましたので、温度管理の厳格なカラー現像をさせてもらいに通ったものです。
できあがった写真についてはどんなにひどい写真でも必ず褒めることからはじめて、失敗した写真ではなぜそうなったのかを詳しく説明してくれました。
当時中学生だった私に対して常に写真を撮る楽しみを大切にしようとする叔父の想いがそこにあったのかも知れません。

叔父がプロの写真家に転身したのは50代になってからで、それまで医療機器メーカーで脳波測定機器を手がける第一線のエンジニアでした。
昭和30年代には某電機メーカーで小型トランジスタラジオの製作に関わっていたそうで、そのラジオは半世紀も経った今もきちんと整備され日々のBGMとして活躍していました。

叔父が亡くなった5年前、私はソフトウェア製作の現場でタイトなスケジュールに追われる毎日を過ごしていました。
訃報を受けたときのショックは今でも忘れられません。
その後の写真に対する意識が変わっていったのは当然のことであったと思います。

しばらく写真からは縁遠くなっていたので、写真の世界もすっかりデジタルの波によって変化をしていました。
新たに機材を揃えながら、その都度叔父に報告をするような想いで撮影に赴くようになり、新しい機材に興味を持って見守ってくれているような気がしてなりませんでした。

とかくデジタル写真ではフィルムという枠がなくなったお陰で、安易にシャッターを切りってしまいがちです。
ともすれば駄目写真を大量に撮ってしまうことにもなりかねません。
かつて大変だったカラー現像をしていた頃のように、今の自分は叔父に誇れるような写真を撮っているだろうか。
いつもそう自分に言い聞かせながらシャッターを切るようにしています。

時代はどのように変わろうとも写真というものを通して私たちが何を感じるかということが大切なのだと思います。
新しい機材や性能にばかり目がいってしまいがちですが、撮るものの心がこもった写真を撮ることに拘って行きたいものです。

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